『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した若手随一の実力派である藤井道人監督と、数々の名作を手がけてきたキャメラマン・木村大作。元ヤクザの漁師・三浦を演じた舘ひろしは、本作の企画立ち上げから参加し、7年ぶりの単独主演作に並々ならぬ覚悟を持って挑んだ。北陸のある漁村を舞台に、二人が出会い、年の差を超えて心を通わせていく。十数年にわたる運命と絆を、完全オリジナル脚本で描いたヒューマンストーリー。
2021年公開の映画「ヤクザと家族」の撮影が終わった時、藤井監督と「必ずもう一度ご一緒したいです」と約束しておりました。その後、東映さん、スターサンズの河村プロデューサー、藤井監督とともに、約3年間にわたり企画について議論を重ねてきました。紆余曲折しながらも、「深みのある人間ドラマを作りましょう」と河村プロデューサーから一枚のプロットをいただき、即決しました。今回、私が演じたのは、すべてを捨てた元ヤクザという役どころです。 「人の強さとは何か」「誰かのために生きるとはどういうことか」かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです。“強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました。 本作は、日本映画界を代表するキャメラマン・木村大作さんが、35mmフィルムに地震前の能登半島の美しい自然を、役者の心情と共に見事に焼き付けてくださいました。また、地元の皆様の多大なるご協力をいただきながら完成した作品です。現在、能登半島は復興の途上にあり、大変な状況が続いておりますが、 本作を通じて少しでも恩返しができればと願っております。大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画です。きっと映画史に残る感動作だと自負しております。ぜひ劇場でご覧ください。
2021年に公開された映画『ヤクザと家族The Family』を見て、藤井監督や舘さんとずっとご一緒したいと願っていました。今回そのお二人と同時にご一緒できる機会をいただきすごく気合いの入る現場でした。そしてキャメラマンには木村大作さん。35mmフィルムでの撮影は普段の現場にはない集中力と緊張感でした。僕が演じさせていただいたのは両親を事故で失い、同時に視力も失った少年が元ヤクザのおじさんに生きる光をもらい、青年へと成長した大森幸太です。少年時代の幸太を演じられた尾上眞秀くんの生のお芝居や映像を見させていただき違和感のないように幸太を引き継ぎたいと思っていました。そして、その少年時代におじさんから見せられた強さと優しさをずっと追いかけて生きてきたであろう、描かれていない十数年もしっかり青年幸太に乗せて演じられるよう意識しました。誰かのために生きる美しさを感じられる映画になっていると思います。
港のひかりの撮影で一ヶ月くらい能登にいました。僕にとって初めての映画だったので張り切ってやりました。幸太は孤独で目が不自由な役だったので、撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした。舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。撮影中寒かった時はみんなであったかくしてくださったりして、嬉しかったです。撮影最後の日は本当に皆さんと別れたくありませんでした。キャメラマンの木村大作さんは怖い方なのかなと思っていましたが、すごく優しかったです。この映画は二年前に撮影したのであまり細かいことは覚えていませんが、試写を見てまだ小さかったなぁと思いました。撮影中は沢山美味しいものを食べました。地元の方にもとても親切にしていただきました。地震や災害の事をとても心配しています。この映画で皆さんに少しでも元気になっていただきたいと思います。
映画"パレード"ぶりの藤井組でした。藤井監督の現場は、作品に関わっている全員で映画を作り上げるという思いがとても強く、映画が完成した時にみんなで味わった達成感は忘れられません。その一員になれたこととても嬉しく思います。私が演じた浅川あやは、しっかりと自分の足で立って生きる途中にいる人物です。幸太と支え合いながらも自立した役どころになるよう演じました。舘さんとは何度か共演していたこともあり、現場で再会を喜び合いました。またこの映画の企画から撮影にかける思いをお聞きし、映画作りの面白さを改めて感じました。そして、今回は木村大作さんが35mmフィルムで撮影してくださいました。興奮しました。現場にはチェック用のモニターもなく、藤井監督が現場にいて、心地よい緊張感の中でのお芝居は、とても贅沢で幸せな時間でした。また、北陸の美しい景色をフィルムに残せたこと、大きな財産になったと思います。一日でも早い復興を、心より願っています。
一つの娯楽を超え、時代に必要とされ、必然的に生まれる映画があるとしたらば『港のひかり』は正に"それ"だと思います。河村光庸さん、藤井道人監督、舘ひろしさん、木村大作さん、日本映画の要であり、同時に邦画の未来を照らすひかりの様な方々のプロジェクトに参加させて頂けた事は、ご褒美の様でもあり、未熟者の自分には恐ろしさもありました。憧れの更に向こう側にあった木村大作さんのフレームの中で、大先輩方に囲まれながら、八代龍太郎と言う、愛し難き卑劣な人間を演じる人間として、唯一肯定し、愛でると言う、役者業の奇天烈さと旨みを同時に味わせて頂きました。剃り落とした眉毛も含め、斎藤工が本作に少しでも役立っている事を祈るばかりです。2023年の年末、撮影期間中、毎日眺めていた立山連峰の荘厳な山々の景色が今尚目に焼き付いています。北陸地方の復興に対して、自分が出来る事、映画が出来る事に、微力ながら向き合って行く所存です。『港のひかり』が北陸地方の方々のひかりになる事を心から願っております。
今回初めて藤井組に参加させていただきました。能登の清々しい海岸線、路面電車行き交う穏やかな富山での撮影はこころに深く刻まれる、思い出深い風景となりました。撮影の木村大作さんのパワフルな佇まいに身が引き締まり、舘さんと桔平さんというふたりの素晴らしい“アニキ”とお芝居をさせていただいたことは、とても光栄で幸福な時間でした。この映画のフィルムに刻まれた数々の風景が、鑑賞されたみなさんの心にいつまでも響き続けることを切に願います。
「港のひかり」は、2022年に亡くなられた河村光庸プロデューサーが生前に企画した最後の作品となってしまいました。自分にとって河村光庸プロデューサーは下積み時代からとても応援してくださった恩人の一人です。その恩人の最後の企画に出演できた事をとても嬉しく思っています。この映画が河村さんに届く事、そして多くの皆様に劇場で観てもらえる事を願っております。
この度、港のひかりで大森美和子役を演じさせて頂きました。美和子は人生の歯車が少しづつ狂ってしまい、何処からやり直せばよいのかさえも見失ってしまった女性です。一件強烈なキャラクターにも見えますが、誰もが持つ弱さを体現している人です。そんな美和子に共感しながら演じさせて頂きました。今作は震災前の能登を舞台に、地元の方々に沢山の協力を頂きながら、藤井道人さんと木村大作さんのタッグで撮影されました。能登の美しい景色の中で自分の為ではなく、他人の為に生きるというテーマで描かれています。是非劇場でご覧下さい。
本作で演じた田辺智之はマル暴の刑事。初めての役だったので不安はありましたが、良い役なので楽しんで演じました。舘さんと芝居できたことが嬉しかったです。舘さんは全てが格好いいので眩しかったですね。眞栄田くんは役の真っ直ぐさも相まって、さらに眩しかったです。藤井監督は“繊細”という言葉がぴったりで、あのつぶらな瞳に燃える情熱を感じました。次の仕事も楽しみです…というか使ってください(笑) 木村大作さんとの現場は緊張感に溢れ、身の引き締まる思いで参加していました。勉強になりました。能登の素晴らしい景色と、そこに生きる人々の生き様をぜひ大スクリーンでご覧ください。一日でも早い復興を、願っています。
演じなくて良いのだ、自然に台詞を言えば良いのだと言う事を此の作品に教えて貰いました。藤井監督の「河村は達観しているんです」の一言が心に響きました。大作さんは「あの頃」と全く変わらぬ物腰でワンカット撮り終える毎に話しかけて下さり心和ませて下さいました。舘さんは物静かなリアクションで全てを語って仕舞う自然体で私を支えて下さいました。皆さんに感謝です。有難う御座います。
藤井監督は常に短い単語や名詞での演出でした。じつはそれがとても分かりやすくて有り難かったです。はじめてのお仕事でしたが楽しゅうございました。木村大作さんによる「フイルム」での現場は、とても心地よい活気がありました。その貴重な経験をひとつも漏らすまいという、皆んなのひたすらな姿がとても印象的でした。とても居心地がよかった。私の役は、世話好きな宿屋のおやじさん。能登の風景とカモメの鳴き声が心の奥に染み込みます。能登の復興を心より祈ります。
以前から藤井監督作品を観ていて、人の心の機微に触れる演出を感じていました。そして是非、藤井組で演じてみたいと思ってました。冬の富山の現場に入ると、フィルムのカメラを据えた木村大作さんがいて、その横には藤井監督が穏やかな眼差しで全体を見つめていました。現場の中心には舘さんが重厚かつ凛々しく立っていて、瞬時にこの映画の世界観に導かれました。石崎という屈折した人物を演じましたが、楽しく観て頂けたら幸いです。
2022年に急逝した河村光庸プロデューサーの企画である『港のひかり』は、自分の人生においてもとても意味のある作品になりました。『自己犠牲』をテーマに描かれる本作は、『ヤクザと家族 The Family』以来、常に気をかけてくださっていた舘ひろしさんを主演に迎え、北陸・能登半島の美しい景色と地元の皆さまのお力で完成した日本映画です。そして木村大作さんとの共同作業も、発見と勉強の連続で、沢山の偉大な背中を見せていただきました。ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そして何より映画への愛。そのすべてが、デジタルによって便利に、そして簡易になった現代へのメッセージともとれる大作さんの哲学を感じました。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、「先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか」と圧倒されました。大作さんはじめ、美術の原田満生さん、音楽の岩代太郎さんなど、日本映画を代表する先輩方と若輩者の藤井組が一つの集合体となり、『港のひかり』を作れたこと、誇りに思います。そして、何より主演の舘ひろしさんが現場の中心に立って下さり『監督、楽しんでますか?』といつも優しく声をかけてくれたことが、毎日の心の支えでした。日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています。本作公開まで是非楽しみにしていてください。そして撮影地でもある、北陸地方の皆さまの一日でも早い復興を、心より願っています。
映画100年の歴史の中で名作と言われる作品も、実は過去の作品の模倣の連続であり、その模倣を超えてオリジナリティを生み出している。この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った。キャメラマンとして「映画を撮る」のではなく、「映画を作る」というスタイルを貫き通してきた私は、「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」という意志を藤井監督に伝え、その意志をベースに、能登半島・富山の素晴らしい場所にこだわって撮影を行った。そこに立つ舘ひろしは、誰かのために生きる男を情感たっぷりに演じ、自分がこの人を一番表現できる位置にキャメラを据えた。そして、本作の少年役はとても重要だと思っていて、尾上眞秀は映画初出演とは思えない、自然体で豊かな感情表現を見せてくれた。撮影・編集を終え完成した今、キャメラマンとしてこの映画のために全てを懸けた自負がある。
2021年公開の映画「ヤクザと家族」の撮影が終わった時、藤井監督と「必ずもう一度ご一緒したいです」と約束しておりました。その後、東映さん、スターサンズの河村プロデューサー、藤井監督とともに、約3年間にわたり企画について議論を重ねてきました。
紆余曲折しながらも、「深みのある人間ドラマを作りましょう」と河村プロデューサーから一枚のプロットをいただき、即決しました。今回、私が演じたのは、すべてを捨てた元ヤクザという役どころです。 「人の強さとは何か」「誰かのために生きるとはどういうことか」かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです。
“強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました。 本作は、日本映画界を代表するキャメラマン・木村大作さんが、35mmフィルムに地震前の能登半島の美しい自然を、役者の心情と共に見事に焼き付けてくださいました。また、地元の皆様の多大なるご協力をいただきながら完成した作品です。現在、能登半島は復興の途上にあり、大変な状況が続いておりますが、 本作を通じて少しでも恩返しができればと願っております。
大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画です。きっと映画史に残る感動作だと自負しております。ぜひ劇場でご覧ください。
2021年に公開された映画『ヤクザと家族The Family』を見て、藤井監督や舘さんとずっとご一緒したいと願っていました。今回そのお二人と同時にご一緒できる機会をいただきすごく気合いの入る現場でした。そしてキャメラマンには木村大作さん。35mmフィルムでの撮影は普段の現場にはない集中力と緊張感でした。僕が演じさせていただいたのは両親を事故で失い、同時に視力も失った少年が元ヤクザのおじさんに生きる光をもらい、青年へと成長した大森幸太です。
少年時代の幸太を演じられた尾上眞秀くんの生のお芝居や映像を見させていただき違和感のないように幸太を引き継ぎたいと思っていました。そして、その少年時代におじさんから見せられた強さと優しさをずっと追いかけて生きてきたであろう、描かれていない十数年もしっかり青年幸太に乗せて演じられるよう意識しました。誰かのために生きる美しさを感じられる映画になっていると思います。
港のひかりの撮影で一ヶ月くらい能登にいました。僕にとって初めての映画だったので張り切ってやりました。幸太は孤独で目が不自由な役だったので、撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした。
舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。
藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。
撮影中寒かった時はみんなであったかくしてくださったりして、嬉しかったです。
撮影最後の日は本当に皆さんと別れたくありませんでした。
キャメラマンの木村大作さんは怖い方なのかなと思っていましたが、すごく優しかったです。
この映画は二年前に撮影したのであまり細かいことは覚えていませんが、試写を見てまだ小さかったなぁと思いました。撮影中は沢山美味しいものを食べました。地元の方にもとても親切にしていただきました。地震や災害の事をとても心配しています。この映画で皆さんに少しでも元気になっていただきたいと思います。
映画"パレード"ぶりの藤井組でした。藤井監督の現場は、作品に関わっている全員で映画を作り上げるという思いがとても強く、映画が完成した時にみんなで味わった達成感は忘れられません。その一員になれたこととても嬉しく思います。私が演じた浅川あやは、しっかりと自分の足で立って生きる途中にいる人物です。幸太と支え合いながらも自立した役どころになるよう演じました。舘さんとは何度か共演していたこともあり、現場で再会を喜び合いました。またこの映画の企画から撮影にかける思いをお聞きし、映画作りの面白さを改めて感じました。そして、今回は木村大作さんが35mmフィルムで撮影してくださいました。興奮しました。現場にはチェック用のモニターもなく、藤井監督が現場にいて、心地よい緊張感の中でのお芝居は、とても贅沢で幸せな時間でした。また、北陸の美しい景色をフィルムに残せたこと、大きな財産になったと思います。一日でも早い復興を、心より願っています。
一つの娯楽を超え、時代に必要とされ、必然的に生まれる映画があるとしたらば『港のひかり』は正に"それ"だと思います。河村光庸さん、藤井道人監督、舘ひろしさん、木村大作さん、日本映画の要であり、同時に邦画の未来を照らすひかりの様な方々のプロジェクトに参加させて頂けた事は、ご褒美の様でもあり、未熟者の自分には恐ろしさもありました。憧れの更に向こう側にあった木村大作さんのフレームの中で、大先輩方に囲まれながら、八代龍太郎と言う、愛し難き卑劣な人間を演じる人間として、唯一肯定し、愛でると言う、役者業の奇天烈さと旨みを同時に味わせて頂きました。剃り落とした眉毛も含め、斎藤工が本作に少しでも役立っている事を祈るばかりです。2023年の年末、撮影期間中、毎日眺めていた立山連峰の荘厳な山々の景色が今尚目に焼き付いています。北陸地方の復興に対して、自分が出来る事、映画が出来る事に、微力ながら向き合って行く所存です。『港のひかり』が北陸地方の方々のひかりになる事を心から願っております。
今回初めて藤井組に参加させていただきました。能登の清々しい海岸線、路面電車行き交う穏やかな富山での撮影はこころに深く刻まれる、思い出深い風景となりました。撮影の木村大作さんのパワフルな佇まいに身が引き締まり、舘さんと桔平さんというふたりの素晴らしい“アニキ”とお芝居をさせていただいたことは、とても光栄で幸福な時間でした。この映画のフィルムに刻まれた数々の風景が、鑑賞されたみなさんの心にいつまでも響き続けることを切に願います。
「港のひかり」は、2022年に亡くなられた河村光庸プロデューサーが生前に企画した最後の作品となってしまいました。自分にとって河村光庸プロデューサーは下積み時代からとても応援してくださった恩人の一人です。その恩人の最後の企画に出演できた事をとても嬉しく思っています。この映画が河村さんに届く事、そして多くの皆様に劇場で観てもらえる事を願っております。
この度、港のひかりで大森美和子役を演じさせて頂きました。美和子は人生の歯車が少しづつ狂ってしまい、何処からやり直せばよいのかさえも見失ってしまった女性です。一件強烈なキャラクターにも見えますが、誰もが持つ弱さを体現している人です。そんな美和子に共感しながら演じさせて頂きました。
今作は震災前の能登を舞台に、地元の方々に沢山の協力を頂きながら、藤井道人さんと木村大作さんのタッグで撮影されました。能登の美しい景色の中で自分の為ではなく、他人の為に生きるというテーマで描かれています。是非劇場でご覧下さい。
本作で演じた田辺智之はマル暴の刑事。初めての役だったので不安はありましたが、良い役なので楽しんで演じました。舘さんと芝居できたことが嬉しかったです。舘さんは全てが格好いいので眩しかったですね。眞栄田くんは役の真っ直ぐさも相まって、さらに眩しかったです。藤井監督は“繊細”という言葉がぴったりで、あのつぶらな瞳に燃える情熱を感じました。次の仕事も楽しみです…というか使ってください(笑) 木村大作さんとの現場は緊張感に溢れ、身の引き締まる思いで参加していました。勉強になりました。能登の素晴らしい景色と、そこに生きる人々の生き様をぜひ大スクリーンでご覧ください。一日でも早い復興を、願っています。
演じなくて良いのだ、自然に台詞を言えば良いのだと言う事を此の作品に教えて貰いました。藤井監督の「河村は達観しているんです」の一言が心に響きました。大作さんは「あの頃」と全く変わらぬ物腰でワンカット撮り終える毎に話しかけて下さり心和ませて下さいました。舘さんは物静かなリアクションで全てを語って仕舞う自然体で私を支えて下さいました。皆さんに感謝です。有難う御座います。
藤井監督は常に短い単語や名詞での演出でした。じつはそれがとても分かりやすくて有り難かったです。はじめてのお仕事でしたが楽しゅうございました。木村大作さんによる「フイルム」での現場は、とても心地よい活気がありました。その貴重な経験をひとつも漏らすまいという、皆んなのひたすらな姿がとても印象的でした。とても居心地がよかった。私の役は、世話好きな宿屋のおやじさん。能登の風景とカモメの鳴き声が心の奥に染み込みます。能登の復興を心より祈ります。
以前から藤井監督作品を観ていて、人の心の機微に触れる演出を感じていました。そして是非、藤井組で演じてみたいと思ってました。冬の富山の現場に入ると、フィルムのカメラを据えた木村大作さんがいて、その横には藤井監督が穏やかな眼差しで全体を見つめていました。現場の中心には舘さんが重厚かつ凛々しく立っていて、瞬時にこの映画の世界観に導かれました。石崎という屈折した人物を演じましたが、楽しく観て頂けたら幸いです。
2022年に急逝した河村光庸プロデューサーの企画である『港のひかり』は、自分の人生においてもとても意味のある作品になりました。『自己犠牲』をテーマに描かれる本作は、『ヤクザと家族 The Family』以来、常に気をかけてくださっていた舘ひろしさんを主演に迎え、北陸・能登半島の美しい景色と地元の皆さまのお力で完成した日本映画です。
そして木村大作さんとの共同作業も、発見と勉強の連続で、沢山の偉大な背中を見せていただきました。ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そして何より映画への愛。そのすべてが、デジタルによって便利に、そして簡易になった現代へのメッセージともとれる大作さんの哲学を感じました。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、「先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか」と圧倒されました。
大作さんはじめ、美術の原田満生さん、音楽の岩代太郎さんなど、日本映画を代表する先輩方と若輩者の藤井組が一つの集合体となり、『港のひかり』を作れたこと、誇りに思います。
そして、何より主演の舘ひろしさんが現場の中心に立って下さり『監督、楽しんでますか?』といつも優しく声をかけてくれたことが、毎日の心の支えでした。
日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています。本作公開まで是非楽しみにしていてください。
そして撮影地でもある、北陸地方の皆さまの一日でも早い復興を、心より願っています。
映画100年の歴史の中で名作と言われる作品も、実は過去の作品の模倣の連続であり、その模倣を超えてオリジナリティを生み出している。この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った。
キャメラマンとして「映画を撮る」のではなく、「映画を作る」というスタイルを貫き通してきた私は、「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」という意志を藤井監督に伝え、その意志をベースに、能登半島・富山の素晴らしい場所にこだわって撮影を行った。そこに立つ舘ひろしは、誰かのために生きる男を情感たっぷりに演じ、自分がこの人を一番表現できる位置にキャメラを据えた。
そして、本作の少年役はとても重要だと思っていて、尾上眞秀は映画初出演とは思えない、自然体で豊かな感情表現を見せてくれた。撮影・編集を終え完成した今、キャメラマンとしてこの映画のために全てを懸けた自負がある。